wanshannan’s diary

ドラマ、映画、ゲームの感想を中心にその他のことも書きます。

11/24 明日海りおは史上最高の宝塚トップスターです

【11/24】

宝塚歌劇団花組トップスター明日海りおの退団公演千秋楽をライブビューイングで見てきました。以前から思っていたことですが、彼女は疑いようもなく史上最高の宝塚トップスターです。

なぜそう思うのかというと、歌のレベル、ダンスのレベル、ルックス、演技のレベル、自分でしゃべるときの受け答え、本人のキャラクター、すべてが最高レベルだからです。全部の項目で星三つです。三つ星トップスターです。私は宝塚を初めて見てから20年近く経とうとしていますが、彼女ほどの人間は記憶にありません。魅力的なトップスターは沢山いました。しかしそれぞれに得意なこと、苦手なことがありました。歌、ダンス、演技、ルックス、しゃべり、後輩への教育、ふるまい、キャラクター、こんな感じの項目かな。コレは持論なんですが、トップスターというのはこれらの項目の精度で選ばれるのではなく、人気で選ばれます。正確に言うと、経営陣が「この生徒は人気がある」と判断した人が選ばれます。なので、多少どこかの項目でケチがついてもトップスターにはなれます。ケチがついた部分を覆い隠してしまうほど「何か」もしくは魅力があれば、ファンがついて座席は埋まるし、トップスターとしていられるのです。その点、明日海りおさんはケチのつけようがない。何言ってんだこいつ、と思われた方は「ポーの一族」をとりあえず観てください。観て感じてください。それがすべてです。


彼女を語る際、特に特筆すべき事は歌唱についてです。彼女自身は歌がとても上手い。歌のうまさも宝塚史上最高レベルです。地声と裏声を上手いこと混ぜて、高音低音どちらもムラ無く発声でき、曲の長音は伸びがあって豊かで響きが多くていい声です。発音もいいから単語が良く聞こえる。フレーズ感が上手いこと体に染みこんでる。そして「彼女の歌がうまい」という事実は周囲、つまり花組全体を巻き込みます。どういうことかというと、花組全体の歌唱レベルが高いのです。
それがよく分るのは「ポーの一族」で村人がバンパネラを殺そうと画策する場面です。村人が一人一人短いフレーズを歌い継いでいきます。こういう演出は宝塚では良くあります。歌のうまさが人によって違うので、上手い人と下手な人のでこぼこ感が如実に表れます。こういう場面は宝塚では良くあります。ただ、この公演ではそうではなかった。どの村人も歌のレベルが等しく高かったので、上手い下手の段差がなく、気持ちよく耳に入ってきました。私の知っている宝塚では考えられないことです。「ポーの一族」を観劇した後、別の組の公演へ行ったことがありました。宝塚全体の歌唱レベルが上がったものだと思い、わくわくしていました。ところが行った公演では生徒によって歌唱レベルがバラバラでした。私の知っている宝塚でした。つまり、歌唱レベルが等しく高いと言う現象は花組だけで起こっている。それはなぜか?明日海りおが原因だと考えました。彼女が積極的に歌のダメ出しをしているのか、それとも彼女以外の生徒が明日海りおを見習って歌を習得しようとしているのか、それともその両方なのかは判断しかねますが、4~5年ほどトップをはっていた人間の影響が無かったと考える方がおかしい。組全体に影響を及ぼしている人間だと確信しました。そんな人、記憶にない。


というわけで、そんな素晴らしい方の千秋楽を映画館(ライブビューイング)で観てきました。感動して3カ所で泣いた。
まず芝居「A Fairy Tale -青い薔薇の精-」妖精になって卒業とは恐れ入った。かの涼風真世氏でさえ卒業は「PUCK」ではなかったというのに。それは置いといて。主演が妖精なので、普通の人間として観客目線になってくれるのが次期トップの2番手。まずその時点で胸にじわっときた。まるっきり、バトンつなぎみたいな演目じゃないか。みたいじゃない、バトンタッチ演目だよ。物語のクライマックス、新娘役トップがおばあちゃんから娘の姿になった瞬間、涙が流れました。大団円の象徴のような演出に感極まって涙しました。感動した。ありがとう。
そしてショー「シャルム!」退団公演て群舞はシンプルな黒燕尾でやりがちなんですが、正しくそれで良かった。黒燕尾群舞って1時間くらい観ていられる。短すぎる。トップが2番手の背を押す瞬間、涙が流れました。(本日2回目)現トップから次期トップへバトンタッチ的な演出は、あざといっちゃその通りなんだけど、それで涙が出るんだからそのあざとさは感動する芸術になっている。というか、2番手氏、ポーや紫の花から比べたら、歌が飛躍的に上手くなっているぞ、素晴らしい。まだ響きが足りないけど、そのまま研鑽していってほしい。なんだか、2番手氏に「トップになる覚悟」というのが見えた気がします。応援したい気持ちになった。
最後にサヨナラショー。サヨナラショーを見られるとは思わなかった。宝塚から少し距離を置いた私はサヨナラショーが何かを思い出していた。サヨナラショーって何だっけ。あ、あれだ、今までの作品のいいとこ取りで歌ったり踊ったりするやつだ。死ぬじゃん、それ。結果めでたく死にました。私の死亡ポイントは言わずもがなアラン&エドガーなんですが、2人ともいるじゃん、やるじゃん、時の輪を、死ぬじゃん、泣いた。(本日3回目)就任したばかりの娘役はメリーベルじゃん、2人そろったらきょうだいになっちゃうでしょ、水車の曲をデュエットにしちゃうじゃん、ノックアウト。袴でのサヨナラ挨拶と、カーテンコールまですべて見られました。宝塚スカイステージでサヨナラショーやサヨナラ挨拶は散々見てきたはずなんだけど、今回ほど組子が「トップの花道作ったるで」という気迫を感じたことはなかった。いや、今までのさよなら公演でだって「ちゃんと送り出すぞ」という雰囲気を感じたことはあるんだけど、一番熱量があるサヨナラ公演だったと思った。感動した。もうメタメタだ。
千秋楽って体力の限界を超えてたどり着く日だから、主演はもうヘロヘロで声もカスカスだとしても不思議じゃないんだけど、彼女のクオリティ、コンディションはMAXでした。怪我なく今日までいらして下さってありがとうございました。1箇所「ハッピネス」当たらなかったけど、全然気にならない。むしろ、欠けてくれてちょいうれしかったかも。13:30スタートで18:20に映画館を出たけど全然余裕。ライビュは手数料込で5,300円くらいだったけど、実質無料でした。ばんざい。