wanshannan’s diary

ドラマ、映画、ゲームの感想を中心にその他のことも書きます。

原子力発電は安価で安定的で環境負荷が少ない発電方法ですか?

電気は安価で安定供給できて環境負荷が少ないものがいいとされています。コレに安全性を加え、専門用語で「3E+S」と言うそうです。
3.11から9年経とうとしている今日、原子力発電は安価で安定的で環境負荷が少ない安全な発電方法だと言い切れる人はどの位いらっしゃるでしょうか。あんまりいないのではないでしょうか。なぜかというと、いくつか原因があると思います。例えばこんな感じ。


・バンバン稼働させるつもりだった原子炉を次々廃炉にしなきゃいけないこと
・稼働させるための安全基準が上がってその基準を満たす工事を余儀なくされたこと
・福島第一の事故による賠償金が20兆と計算されていること
・福島第一の廃炉にめっちゃ金がかかりそうなこと


こんな感じだと思います。原発を建てた当初より金がかかることは確かみたいだけど、実際どうなんでしょう。20兆って、大金じゃん。数字を出されるとめちゃコストかかる発電方法に見えるよね。そんな疑問に答えてくれるのは国家公務員、経済産業省資源エネルギー庁の記事でございます。

www.enecho.meti.go.jp

この記事から、かいつまんで情報を取り上げます。


・100万kw発電するのに必要な燃料輸送コスト、ウラン(原発)なら10tトラック2.1台、石油(火力発電)なら20t石油タンカー7.75隻
・100万kw発電する原発(敷地面積0.6㎞²)と同じだけ発電するには、太陽光なら58㎞²、風力なら214㎞²
・1kWh発電コスト、原発は10.1円、石油火力は30.6~43.4円、風力は21.6円
福島第一原発の事故対応費用20兆円だけど、10兆円回収するために1kWhあたり0.1~0.3円を発電コストに上乗せすれば足ります
・よって、どんな状況にあっても原子力発電がコストの面で有利なのは変わりない


こんな感じ。な、なるほど~、と思う一方、コストの面のみしか語っていないので、安全性や安定供給、環境負荷に関しては書かれていません。原発を動かす理由としてコストは一番有利な点だけど、電気を使ってる人間として気になるのは他の部分、「3E+S」のみならず、電力会社への信頼です。3.11で原子力発電は信用だだ下がりしちゃったから、どうやって信頼してもらうかがわりと大事な気もします。
「電気なんかなくったって人は生きていける!」なんて極端なことを言ってる人もいるかも知れないけど、電気なくなったら死ぬ人は絶対います。「3E+S」と信頼をなるべくレベルカンストして欲しいと思います。

あと、金の話に始終したら「電気料金に上乗せすれば済むと思いやがっている」と短絡な私は思ってしまうので、原子力発電を推進するなら、コスト以外の点からも原発の利点を紹介した方がいいよね。がんばれ、国家公務員。いい記事待ってます。

それから、原子力発電従事者の方々の心労も軽くなるような情報とか技術とかあるといいな。苦しむことは良くない。

 

追記(2019/11/11)

福島第一原発の近隣市町村は現在進行形でゴーストタウン(GoogleMAPより)になってることや、親戚や友人の繋がりが以前と変化したこと、移住先で原発差別にあった人間の気持ちとか、こういう金では計れないものってどうなってるんだろう。なかったことになってるのかな。もう全部棚上げだな。