6/1 VIOLA SPACE 2018 ヴィオラスペース 2日目 その3

【6/1】

ヴィオラスペース、ガラコンサートⅡ「わたしのお気に入り」について書きます。

まずは曲目から。

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64より第2楽章

ヒンデミット無伴奏ヴィオラソナタ作品25-1

ロータ:間奏曲

ヴュータン:カプリッチョ

ブラームス:弦楽5重奏曲第2番ト長調作品111より第2楽章

モーツアルト:協奏交響曲変ホ長調 k.364


まず、特筆しなければならないことがあります。
出演予定だった4人のヴィオリストがやむを得ぬ事情で出演できなくなり、
予定されていたバルトークルーマニア民族舞曲が抜けてしまいました。
私も大好きな曲なので、聴けないことはとても残念でしたが、
なんと、今井信子さんがその分の尺をメンデルスゾーンで補いました。
緩い楽章の曲です。ハードで聴きごたえがある曲とは言えないと思います。
しかし、信子さんの「わたしがやるわよ」というような気概が見えるようで、
より好きになりました。やはり彼女はかっこいい。


それからヒンデミット作品25-1は久々に聴きますが、やはりあの荒れ狂ったテンポの楽章は大好きです。


ブラームスは、信子さんが「オラこうすんだよ!」と口火を切る感じがたまらない。すき。あんたがリーダー。


本日の白眉はモーツアルトです。
今まで私が生まれて聴いたあらゆる演奏の中で、一番素晴らしい演奏だったと思います。
私の生涯の中で、これほど素晴らしい演奏を体験できる機会は、そう何度もないと確信しています。

まず、曲が名曲、いい曲だというのは、世間一般共通の認識でよろしいかと思います。
今回のプログラムを作るにあたり、「お気に入り」の曲をヴィオリスト出演者に聞き取りしたところ、
この曲は誰もがあげていたという事ですのでね。ちなみに公演プログラム情報です。
ここで取り上げるべきは、この曲がどんなふうにいい曲か、という事ではなく、奏者たちの音楽への姿勢です。

驚いたのが、ソリスト2人が揃いすぎ。メロディの呼応や音色、ありとあらゆるものが揃っていて混乱しました。
え、同じ人間なのでは?姿形が違うドッペルゲンガー?と疑ってしまうほどです。
いや、1人で揃えるのこそ難しい。という事は、この2人は違う人間?だとしたら互いに愛し合ってるの?
そのくらい2人の間で交わされる、目に見えないホットラインを感じるんですけど、どういうことなのこれ。
ソリスト2人で時折見つめあいながら微笑みあってんだけど。え、なに、奏者同士でできてるのを見せられてんの?
いや、違う、2人とも、この曲を愛してるんだ。2人の愛が共鳴して揃って、オケにも響いて、客にも響いてるんだ。
それを思いいたってからは混乱が解け、一転、感動しきりでした。
ソリストヴィオラ)のタメスティ氏が客席に背を向けながら弾きぶりする姿が新鮮で、
もしも別に指揮者がいたらあんなに揃わなかったんじゃないかな、とも思いました。
オケがソリスト2人の音と動きに敏感になって演奏してたのがよかった。ほんとすばらし。
これほど奏者と観衆が一体になった演奏を、私は知りません。みんながみんな、この曲を愛していた。
奏者はこういう演奏をするために、観客はこういう演奏を聴くために生きているのかな。
愛を感じるために、コンサートへ行くのかな。そんなことを考えました。

この日はおっさんずラブ最終話の前日で、曲がまるきりドラマにハマったかのような錯覚におちいりながら聴いていた。
1楽章ルームシェア楽しいEs-Dur、2楽章痛い痛い6話c-moll、3楽章みんなで幸せになろう最終話Es-durってね。
おっさんずラブの6話はショッキングだったので、最終話がどうなるか少し不安ではあったのですが、
このモーツアルトを聴いて、翌日の最終話は全員幸せハッピーエンドになることを確信しましたね。
こんなこと考えながら聴いていたのは会場で私だけだったと思います。文字に起こしても何言ってんだ私は、と言う気持ちです。
おっさんずラブを見ていらっしゃらない方はスルーしてください。見ていてもこの感覚が伝わったのなら、それはすごい。
Es-durとc-mollを行き来する曲がたまらなく好きなんです。ドンピシャです。

それにしても、聴きに来てよかった。この演奏にかかわった皆さん、ありがとう。幸せです。