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PERSONA3 THE MOVIE ♯4 Winter of Rebirth 感想

PERSONA3 THE MOVIE ♯4 Winter of Rebirth】

わたしはこの作品で感動するため、または泣くためにいくつかの下準備をしておきました。
映画の最終章を見る前に原作ゲームをクリアする、メインテーマを何度も聞いておく、
CMやトレーラーなどネタバレが含まれていない動画を見る、など。
そうすると自然に「この曲はこの場面で流れるのかな」「このカットはこの場面かな」
などとワクワクした気持ちをもったまま本編映画を見ることができました。
結果、4回見ても同じとこで泣いています。下準備ってとっても大事。
その前提での感想です。

最近、自分が物語のどんな場面で涙するのか理解できてきました。
それは絶望の時間がとても長かったうえでの希望、光が見えた場面です。

この映画は90分の長さのうち、最初から約60分、登場人物たちが絶望に打ちひしがれています。
ずっと暗いです。どうしようもできない恐怖に苦しんでいます。
見ている方もなんだか陰鬱とした気分になってきます。
それに拍車をかけている演出が降雪です。
雪が降っている最中、空は雲が出ているので画面もどこか薄暗くなります。
天気が悪いと気持ちも落ち込むってやつでしょうか。約60分、ずっと降雪してます。
無気力症になった人たちはしんしんと雪降ってる中でただ茫然と座っていたり立っていたりします。
なんだかとってもこの世の終わり感がします。(実際この世の終わりが迫っている)

主人公がもしもの未来を白昼夢で見たときなんて暴風雪です。ブリザード
3月上旬に桜が咲く地域でそんな大雪降るかい、なんて野暮な突っ込みはやめましょう。
演出です。アニメの魅力は天候だろうが何だろうが自在にできるところですね。
で、上記に出ました主人公のもしもの白昼夢がなんだかとてもざわざわする。
桜は咲かずに枝だけだし、映像は白黒だし、アニメーションの動きも鈍いし、
登場人物たちがわきあいあいと会話してるのになんだか不安な気持ちになるし、
主人公の笑顔にかぶせたBGMの音がのびて壊れていくのも、
血の雪が降るのもなんだかとてもぞわぞわしました。

その直後、主人公はある人物と会話をして、自分の行動を決めます。
その時、雪がやみ、光が差し、メインテーマ「僕の証」が流れ、仲間たちにも光が届きます。
ここでまず泣きます。(一回目)
なんで泣いたか考えてみました。登場人物たちが自分の行動を決めた過程にも
涙するネタがそれぞれあって(だいたい故人との思い出)それも一因あります。
けど一番は、差し込んだ光が希望そのものに見えたからだと思います。
前にも書きました通り、絶望の時間が長い上での希望にはとても感動して泣いてしまうんです。

その後、主人公たち仲間は朝焼けを見ながら戦いの後、再び会う約束をします。
この時の朝日も希望に見えます。ここで泣きます。(二回目)

そして主人公はラスボスと一対一で戦います。
その時、ラスボス戦には臨めなかった仲間からの声が届きます。
「どうか彼に力を」「今すぐ行くから待ってろ」「必ず帰ってきて」
ベタですが応援する気持ちと心配する気持ち、それを背負った主人公に感動します。
ここで泣きます。(三回目)

奇跡は果たされ、彼らには普通の学校生活が訪れます。ただし、戦いの記憶は忘れて。
しかし主人公が戦いの記憶とともに、再び会う約束を思い出します。
息も絶え絶えになりながらその場所へ向かうと、一人の仲間と満開の桜、舞い上がる桜。
そのすぐ後に、舞い上がる桜を見た仲間たちも約束を思いだし、その場所へ走ります。
自分へ向かってくる仲間を見ながら主人公は微笑み、エンディング曲へ。
ここで主人公がどうなったかは解釈が分かれますが、
わたくしは石田彰さんのご意見をうのみにし「幸せの中でこと切れる」と見ています。
彼は死んでしまうのに、でも、とっても幸せでいっぱいなんだと思ったら泣きます。(四回目)
そっからエンディングロールの間はずっと泣きっぱなしです。

泣いたところをピックアップしてしまいましたが、戦闘もなんというかかっこいいです。
カメラがあっちこっち切り替わるし、皆さん機敏に動くし、
「覚悟する→不思議パワー発動→パワーアップ」の流れもベタですがかっこよかったです。

アイギスが逃走した直後、理との一対一の構図、
ラストシーン、屋上でのアイギスと理の一対一の構図、
これ真反対のカメラからとってるんですが、構図は同じなので対応させてますよね。

ゲームに比べて、不要な情報だったり過分な情報はそぎ落とされているので、
内容が理解しやすくなっていると思います。
本書いた人たち、あっぱれ。

全体の感想として、よかったんだろうけど悲しい気持ちはどうしたらいいのかなと思いましたが、
時間おいて考えると、理とニュクス(望月)は一緒によろしくやってるのかもしれないと思うと、
少し救われる気分になるので、そう思うことにしています。

とっても大好きな作品なので正当な評価はなかなかできませんが、
客観的に見てもしっかり筋の通った出来の作品だと思います。
全部で4部作の劇場作品でしたが、毎年1本公開していたところも素晴らしいと思います。